~~~討伐条件~~~
現在出回っている当オブジェクト(以下ヨル)は全て回収済みであり、YOI_6744_JPN(以下宵屋)の住む工房にて管理されている。取扱いは宵屋のみと原則規定されているが、止むを得ない事情がある場合、必ず特権階級以上の職員と宵屋立ち会いの元、素手で触れないよう注意しながら行うこと。
ヨルは一般に流通しているインクに類似した、液体のようなイーコール群である。色合いの違う様々な青と黒、ほんのわずかの白色と少量の星屑により構成されている。ヨルは一夜ごとに瓶に詰められており、それぞれの色や星屑、光の配合は異なる。
とある工房に保管されていたのを職員が発見。その異常性を感知した為に保護・管理に至った。
ヨルの出現により引き起こされた事象に対して我々が出来るのはただそれを認識することのみであり、それもまた我々に干渉することはない。
ヨルを用いて特殊な魔法陣を描くことにより、瓶内の残りのインクが吹き上がり空に熔け、昼間の空に徐々に滲みだし、3時間かけて空全体にヨルが広がる。宵屋が魔法陣に呪文を唱えることでヨルは段々と空から零れ落ち、瓶内に溜まり、2時間程度でヨルは完全に瓶内に収まる。
ヨルが空に溶けなければその空に夜が訪れることは無く、また人々の夢は失われ、世界の熱は奪われてしまうだろう。
ヨルが出現している間に睡眠を摂ることで、一定の確率で『夢』という幻覚と出会う。その確率は当人の状態や性質に寄るものであり、決まりはない。また、夢の内容も人によりまちまちである。
ヨルが出現している際に人々がみた夢を、ヨルは覗き見て記憶する。ヨルが飲み込んだ多くの感情、記憶、夢は、ヨルが再び瓶に詰められた際にその時間の経過が止まり、再びそのヨルが出現した際に全く同じものが起こる。
ヨルに沈む星屑や夢がいっぱいになると、ヨルは空へ登っていく。特別な操作をして還すのでは無く、空に溶けていたヨルが瓶に戻らず、そのまま空へ溶けて消えてゆくのだ。
夢を蓄えたヨルが何処へ行くのか。それは誰も知りえない。
『───────あの日も、今日みたいに星が眩しい夜だった。今日私は、あの人によく似た彼に出会った。』
~~~調査報酬~~~
Version,1:関係者の追憶を1上昇させる
Version.2:関係者の追憶を1上昇させる
Version.3:研究データ【6779】解放
Version.4:関係者の侵蝕を1上昇させる
Version.5:関係者の追憶を1上昇させる