PIO_ 6852_ITA

ピオッジャ

pioggia

~~~討伐条件~~~
 討伐は不可能であるため、発生した際は屋内に避難する、もしくは傘を差すなどして接触を避ける事が推奨されている。
 密閉容器に一部分のみを切り取って捕獲することは可能であり、その場合彼らはうすく白んだ霧の状態でそこに収まるだろう。


 彼らは湿度が高く気圧の低い、気温が10℃以下の地で稀に発生する。彼らは人間の発する感情に敏感に反応し、寂寥や仁愛、愁傷などの感情につられてそれらを強く抱いている人間の周囲で多く観測される、雨に良く似た異常気象である。発生源となる感情のもしくは気象状況の変化により、彼らは消滅することが確認されている。
 普通の雨との決定的な違いは、彼らは水溜まりを作らない、という点だ。地べたにつく直前に彼らは霧状になって霧散して、足元に薄くもやをかける。霧に触れても影響はないが、体を長く浸していると、彼らに触れた時と同じ影響が出るだろう。
 速度、量、範囲の全てが気まぐれであり、彼らは小さな粒の集まりでありながら集団としてひとつの意志をもってうねり、揺らぎ、何かを飲み込みながら歩いてゆく。彼らはどこにも留まることは無い。


 彼らは、触れた者の抱いているいずれかひとつの感情の熱量を飲み込み、また逆に熱を与えてそれを奪う。熱の薄い無視され続けた感情はやや熱く、強く抱いている感情はやや寒く。偏った熱量は平坦に向かう。
 また、彼らに触れた後、1時間につき体温が1℃低下していく。お湯やヒーターなどで暖めることで応急処置は可能だが、それはただの対症療法であり解決ではない。
 その症状を解決するのであれば、人の温みに触れる事だ。肌でも良い、言葉でも良い、何も語らない視線の熱や、無言の淡い温度でも良い。誰か一人以上の親密と言える人間と、共に半日を過ごすことだ。


 急激な温度の移ろいは、いろんなものを不安定にしますから。風邪を引かないよう暖かくして、寂しいのなら身を寄せて。


~~~調査報酬~~~
Version.1:関係者の侵蝕を1上昇させる
Version.2:関係者の侵蝕を1上昇させる
Version.3:関係者の追憶を1上昇させる
Version.4:関係者の侵蝕を1上昇させる
Version.5:関係者の追憶を1上昇させる
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__調査報告________

【報告書】Version.1  01/21
【調査員】雨夜鳥志乃紀、日満寺百貫
【記録員】アルマデル第八支部13番小隊所属 雨夜鳥志乃紀
__調査報告________
学校帰りに迷子になってしまったこと、前々からの悩みが募っていたこと、月の関係などが相俟って、寂しさと悲しさが一杯一杯になってしまったとき、彼は現れました。寒く、湿度の高い日でしたが、月は見えたので、雨かどうかは関係無いみたいです。
私自身の体と身につけていた衣服は多く彼らを吸いましたが、衣服を絞ってもその水滴は地面に落ちる前に霧になって消えました。また、暖房や暖かい飲み物、ブランケットなどを利用しても体が温まる事はなく、状況によっては低体温症などに陥ることが予想されます。雨をシャワーで洗い流し、衣服を着替える事で体温の低下は止まったように思いますが、精神的な不安は収まらず、やはり一人でいるのは危険なように思います。

シャワーなどで体を温め雨を洗い流すこと、その翌日まで日満寺 百貫と手を繋ぎ共に過ごすこと。以上の二点で、彼らの影響はなくなりました。湿度の高い寒い日には、雨の予報がなくとも傘を持ち歩くことを推奨します。

2022/4/18